三秋縋という作家を知っていますか? [オススメ3選]
皆さんは、三秋縋という作家を知っているだろうか?
三秋先生は高校時代から、2ちゃんねるに「げんふうけい」というペンネームで、web小説を投稿されていた。
そして、web上で人気を博し
ついには、2013年9月、web投稿作品の一つである「十年巻き戻って、十歳からやり直した感想」を『スターティング・オーヴァー』と改題しメディアワークス文庫より出版、作家としてデビューされた。
主な著作には『三日間の幸福』『いたいのいたいの、とんでゆけ』『恋する寄生虫』などがある。
三秋先生の小説は、どれも、不思議な魅力を持っており、ふとした瞬間に読み返してみたくなる作品ばかりである。
最近、疲れることが続いたり、しんどい気分になっている方には、特にオススメしたい作品となっている。
では、早速紹介していこう。
三日間の幸福
どうやら俺の人生には、今後何一つ良いことがないらしい。寿命の“査定価格”が一年につき一万円ぽっちだったのは、そのせいだ。未来を悲観して寿命の大半を売り払った俺は、僅かな余生で幸せを掴もうと躍起になるが、何をやっても裏目に出る。空回りし続ける俺を醒めた目で見つめる、「監視員」のミヤギ。彼女の為に生きることこそが一番の幸せなのだと気付く頃には、俺の寿命は二か月を切っていた。ウェブで大人気のエピソードがついに文庫化。
月並みな表現になってしまうが、幸せとは何か、考えさせられる作品。
本作には、時間をお金に変えて、売るという、ファンタジー極まりない設定があるのだが、
そのような設定が、気にならないほどの現実感があり、つい自分と重ね合わせてしまう。
自分の人生がつまらない、と感じることのある人には是非読んでみてほしい。
また、寿命を買い取ってもらった。一年につき一万円で。というタイトルで、漫画版も出版されている。
寿命を買い取ってもらった。一年につき、一万円で。 1 (ジャンプコミックスDIGITAL)
- 作者: 三秋縋(メディアワークス文庫「三日間の幸福」),田口囁一,E9L・田口囁一
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2017/07/04
- メディア: Kindle版
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スターティング・オーヴァー
二周目の人生は、十歳のクリスマスから始まった。全てをやり直す機会を与えられた僕だったけど、いくら考えても、やり直したいことなんて、何一つなかった。僕の望みは、「一周目の人生を、そっくりそのまま再現すること」だったんだ。しかし、どんなに正確を期したつもりでも、物事は徐々にずれていく。幸せ過ぎた一周目のツケを払わされるかのように、僕は急速に落ちぶれていく。―そして十八歳の春、僕は「代役」と出会う。変わり果てた二周目の僕の代わりに、一周目の僕を忠実に再現している「代役」と。ウェブで話題の新人作家、ついにデビュー。
人生は、小さなボタンの掛け違えで大きく変わることを、SF的な要素を使って、表している作品。
主人公は、本来なら最高の人生を歩むはずだったが、細かな選択の違いで、転がるように、最悪な人生へと変わって行く
しかし、見方を変えると、最悪な人生も、自分の選択一つで、最高の人生に変わる可能性があるとも言える。
未来は、何が起こるかわからない。
『今までそうだったから、これからもそうだろう』なんて考えは、捨てちまえばいい
そう思わせてくれる作品。
いたいのいたいの、とんでゆけ
「私、死んじゃいました。どうしてくれるんですか?」 何もかもに見捨てられて一人きりになった二十二歳の秋、僕は殺人犯になってしまった――はずだった。 僕に殺された少女は、死の瞬間を“先送り”することによって十日間の猶予を得た。彼女はその貴重な十日間を、自分の人生を台無しにした連中への復讐に捧げる決意をする。 「当然あなたにも手伝ってもらいますよ、人殺しさん」 復讐を重ねていく中で、僕たちは知らず知らずのうちに、二人の出会いの裏に隠された真実に近付いていく。それは哀しくも温かい日々の記憶。そしてあの日の「さよなら」。
今回紹介させていただいた、三秋先生の作品のなかでは、一番悲しい作品。
しかし、だからこそ、グイグイと物語に引き込まれてしまう。
残酷なシーンが、多々あるため、賛否両論はあると思うが、不幸な中にも幸福がある、と思わせてくれる、心に残る名作。
このブログでは、これからも、本当にオススメできる、web小説やライトノベルなどを、紹介していくので、よかったらブックマークお願い致します。
文責 にじ民